これを書く時点で15個の金メダルを獲得した日本のオリンピック選手団。めでたいムードが漂っている様だが,違った方面に目を向けてみれば,そこで進行している事柄に気が滅入ることだろう。
このところ,哲学や思想,社会学といった社会科学分野では,「自由」という鍵語が注目を集めて盛んに議論されていることはご承知のことと思う。おうおうにして鍵語とは,それが危ぶまれたり失われたりすることで話題にされるものでもあり,そういう意味で私たちの社会は「自由」を失いつつあるのではないか,「自由」が危ぶまれているのではないかと推察される。
回りくどい言い方をやめて,現実を見れば,私たちが深刻な状況に投げ込まれていることは一目瞭然だ。所得による生活の余裕度格差は広がる一方だし,私たちの生活リズムはせわしなくて落ち着かない。めくるめく新商品の登場ゆえに購入できるモノの選択肢が極端に減っていることや,グローバル展開する日本企業の日本市場における消費者を馬鹿にした扱いは目に余るものがある。
最近のコメント