12/7付けOECD PISA2003の学力調査結果に続き,12/15付けIEA TIMSS2003の学力調査結果が発表され,マスコミでもちょっとした学力論争再燃ムードである。これ自体が,この国で学力を語る際の構図をよく表している。
あちこちの記事を参照している皆さんには先刻ご承知のことと思うが,簡単にご紹介しておこう。世界ではいくつかの機関が学力調査を行なっている。特に世界各国を股にかけて継続的に大規模な調査を行なっているものとして有名なのが,OEDC PISAとIEA TIMSSだ。日本も国立教育政策研究所を通して,この2大学力調査に参加している。
【OECD PISA】経済協力開発機構(OECD)は,先進諸国が政策協調を行なうために様々な事柄を研究したり提言する場所として作られた国際機関。教育も主要なテーマであり,各国の教育水準の維持や確保が経済的利益につながるという考えから,学習到達度調査(PISA)などをもとにした様々な研究や提言が行なわれている。
2000年に第1回調査が行なわれ,以後3年ごとに予定。調査対象は加盟国を始め非加盟国も含めた各国の15歳児。調査内容は,数学的リテラシー,読解力,科学的リテラシーの3分野。実生活に即した知識・技能,問題解決能力について調査するのが特徴。
【IEA TIMSS】国際教育到達度評価学会(IEA)は,各国の調査機関や政府研究機関が一緒につくった国際学術研究団体であり,各国政府の政策決定などに必要な教育関連調査を提供することを目的とした独立組織。先進諸国といった条件がない分だけ,PISAと調査参加している国に違いも見られる。国際数学・理科教育調査(TIMSS)とリーディング・リテラシー調査(PIRLS)が行なわれているが。日本はTIMSSだけ参加している。
1964年に第1回国際数学教育調査が行なわれた。調査対象は第4学年(小学4年生)と第8学年(中学2年生)とし,4年後の調査で同じ調査対象の学力変化も調査する。TIMSSとしては1995年と1999年に調査が行なわれ,今回の2003年も段階調査のひとつとしてつながっている。調査内容は数学と理科の教育到達度を調査するため,小中の基礎学力的なものであるという特徴がある。
とご紹介したが,どうか学生さん,インターネットリサーチの一環でonline plagiarism(オンライン盗作)のために利用をしないように,確実に笑われます。
なにより,話題なのは文部科学大臣による「ゆとり教育見直し」発言なのだろう。マスコミはまた両側の代表者のコメントを紹介して問題を「わかりやすく」しようとしている。
と続けて書こうと思ったが,ちょっと中断。また続きはあとで。
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