そうそう,ついでっぽい感じで書くが,教育基本法案が15日の参院本会議で可決され,新・教育基本法が成立した。お疲れ様。さっそく財務省が動き出して教育政策予算の4%増額をアピールし始めた。
これは全く異なる行動規範に基づくグループ同士が,ある共通したテーマを持って接触することになったときの,様々なジレンマを下手な芝居で演じて見せたという出来事である。その犠牲が,変えなくてもよかった教育基本法だったことは残念ではあるけれども,大人の世界として考えれば,こうなるより他なかったと理解するしかない。それが「政治」の世界。
識者・研究者にとって政治は,題材や対象にはなり得ても,表立った手法にはなり得ない。だから声明を発するか,角材持つかしかない。角材持つ野蛮な季節は過ぎたというなら,情報の洪水の中に埋もれること承知で声明を打つしかない。苦々しいこと,この上ないが,政治が学問を尊重してくれない以上,そんな苦々しさはいつまでも続く。
ところで,海外ではこのニュースがどのように扱われただろうか。反応が気になるだろう中国と,アメリカのニュースサイトを覗いてみた。すると,中国のsinaニュースセンターの記事でも,アメリカのニューヨークタイムズ,CNNにしても,海外メディアの扱いは,「防衛庁の省への格上げ」ニュースとセットで報じていることである。ワシントンポストは一緒のもあるし,別のものもある。
まあ,同じ日に可決したからワンパックで記事化したというのもあるが,それにしたって,日本国内では教育基本法改正のニュースがトロトロ報道されて,気がつくと湧いて出てきた「防衛"省"化」ニュースという別個の扱いだったのに,世界ではこの記事の漫画にもあるように防衛省と教育基本法はワンセットで戦前回帰しようとしているような扱われ方なのである。
とはいえ,どうやら世界は日本の教育基本法より6カ国協議と松坂大輔の方が大事みたいなので,どこの記事もこの話題を盛り上げようという感じがない。さらっと流している雰囲気もある。
まぁね,松坂との交渉を入札するのに教育予算の1%分が動き,6年間契約でもう1%動くくらいだもんね。松坂1人で教育予算の2%もの規模のお金が動いているのである。高給な政治家達が泥仕合をして教育基本法が改正されも,財務省が動かしましょう,といってくれるお金は教育予算の4%規模。
松坂が凄いのか,レッドソックスが凄いのか,それとも日本の政治家・官僚がしょぼいのか…。
ザ・ショウ・マスト・ゴー・オン。基本法改正したからといって,それで終わりじゃない。学校教育法,学習指導要領,そして教育振興基本計画が登場する番である。賛成するにしても,反対するにしても,しっかりと動向を把握しないといけない。
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