ニッポン放送株をめぐるライブドアとフジテレビの攻防戦は,株式市場の様々なルールを駆使したパズル解きのような手段を次から次へと繰り出して,そのからくりに感心する一方で,あまり生産的でない様相も呈している。日頃,マスコミのパターナリズムがもたらす弊害を嘆いている立場からすると,ライブドアがちらっと見せてくれた「あぐらをかいていたマスコミへの一撃」劇は,「この日本でも何かを変えられる余地がある!」と希望を抱かせる痛快な出来事だった。
報道機関は,社会の公器であるという認識から,一企業がマネーゲームによって経営支配することはそぐわないとか,外資が一定割合以上の株を持ってはいけないとか,そういう理屈がある。しかし,はっきり言えば,そんな建前で守られるほどの器が今日のマスコミにあるとは思えない。所詮,利益追求体であり,広告代理店と共謀して日本人の脳みそを馬鹿にしてきた前歴がある。しかも,8チャンネルは見るだけで馬鹿になると揶揄されたテレビ局だ。インターネット企業と協業して,羽目を外すことくらい,お家芸で軽くやってくれればいいだろうに,結局,その裏で自分の取り分をしっかり確保している人間がわんさといることを再確認できたまでか。
ライブドアにしても,インターネットの可能性を熱心に信じて取り組んでいることには共感するが,若い企業ゆえだろうか,一つひとつ表出してくるものに成熟さや思慮深さが足りない。だから,パターンの蓄積を持つ先輩達に軽んじられるのであろうし,熱意がいまいち伝わらない。とにかく,この騒動からは世代の違う集団が関係を取り結ぶに伴う諸々の問題や課題を見出せるし,だからこそ個別具体的な衝突よりも,今後日本で生きたり働いたりすることの姿や質とは何かを考えるのに絶好の話題だと思う。
続きを読む "ビジネスの世界はいと難しきなり" »
プライベートブログにも書いたが,Apple Store Nagoya Sakaeが明日(22日)にオープンする。私の住む名古屋地区にもアップル社の直営店がやって来たわけである。教育雑談界(なんじゃそれ?)において熱心なアップルファンを自認する私としては,オープン初日に行かないわけにはいかない。始発の電車で並びに行く予定なのだ。
あれこれ慌ただしさにかまけて,先日サンフランシスコで行なわれたアップル社の新製品について取り上げなかった。いやはや,いよいよ真打ち登場である。「Mac mini」は,既存のパソコンユーザーがMacintoshコンピュータを所有し始めるには格好の製品だ。すでに持っているディスプレイ,キーボード,マウスを流用することを前提として,きわめてシンプルにデザインされた小さな本体とACアダプタのみで構成されている。特筆すべきは,そのパッケージの小ささと手軽さ,そして6万円弱という開始価格である。
皆さんは,あいかわらずMacintoshというパソコンが,Windowsパソコンと使い勝手が違うとか,互換性がないから使い物にならないだろうとお考えかも知れない。しかし,21世紀に入ってMacintoshには,Windowsパソコンが太刀打ちできないほど価値のあるソフトウェア(「iLife」という名前である)が無償で添付され,その性能と使い勝手の良さは高い評価を得ているのである。実際私は,iLifeでかなり楽しませてもらっているし,教育現場の仕事にも大変役立ち,楽しい経験を生み出している。
これまで私はそれらMacintoshの進歩やバージョンアップに多額の資金をつぎ込んできた(ファンだから仕方ない)が,はっきり言って,それほどの価値のあるパソコンとソフトウェアのセットを6万円程度から手に入れて体験できるというのは,今から購入する人たちは,幸せである。なにはともあれ,Apple Storeへ行こうじゃないか。
続きを読む "Apple StoreへGo!" »
最近のコメント