非常勤先の看護専門学校にて教育学講義。2年目だから楽になったかと思いきや,実のところ暗中模索状態が温存されたままである。相手が教職志望とかなら教育学周辺の情報を料理すれば食してもらえるが,看護師を目指している人たちのお口に合うとは限らない。そんなわけで。今年の教育学講義は,自分としては〈かなり〉薄口に味を薄めた授業をしている。
それから,お昼過ぎの眠たい時間帯でもあるので,いろんなワークを取り入れるのが歓迎されるらしい。ワークの持ちネタがないわけではないが,〈わかったつもり〉になられる不安もあって,濫用をしない主義なのだ。ただ,それは裏を返せば,「ワークを取り入れないで講義すれば授業をやったつもりになれる」というこちら側の満足主義を招いているだけかも知れない。
そんなわけで今日の〈薄口〉教育学講義では,田中久夫『教育研修ゲーム』(日本経団連出版2003/1800円+税)から「印象交換ゲーム」を拝借しアレンジしたワークを行なう。こういうネタ本は,揃えておいて損はない。
当然だが,授業に対するコメント用紙の感想は,ワークに対する好意的な評価でいっぱいだった。普段はなかなか知ることのできない他者から自分への印象情報。自分の思っていたとおりに相手にイメージされていた人もいれば,多くは意外な見方をされていたことに驚いたり,喜んだり,ショックを受けたり。もちろんあくまでも印象であることは念を押してある。とにかく,こういう新たな事実の発見や気づきがありそうなワークへの食い付きは良い。
さて,今年はいよいよ,看護の分野を題材とした内容を盛り込み始めようかと思う。教育学的には薄口かも知れないが,少しでも学生たちの意識に近い題材で話を進めたい。ワークも扱う以上は,オリジナリティや工夫を凝らしたいものである。
はじめまして。いつもblogを読まさせております。私は中学の教員をしていますが,市内にある看護科の短大生に中学の授業にゲストティーチャーとして参加してもらったことがあります。話をこちらから短大の先生に(飛び込み状態で)させていただき,短大の先生も乗ってくださりこの企画が実現でしました。短大の先生から終了後,うかがった話ですが,学生が普段の授業では見られないぐらい勉強をしている姿を見たと言うことでした。私も中学生も普段より熱心に取り組んでいたように思いました。授業内容は,保健分野の応急処置を行いました。こうした,コラボレーションは必要な気がしました。つまらないことをコメントして申しわけありませんでした。
投稿情報: Gorotsuky | 2005年5 月30日 (月) 22:43
Gorotsukyさん,コメントありがとうございます。
とてもよい事例を教えていただき,刺激になりました。お出掛けして,コラボレーションをするのは,学生たちにとっても新鮮ですし,明確な目的意識と意欲を持つことができそうですね。
どうしても看護の世界だと「患者教育」がまずドンと大きくあって,その他の「教える」場面を想定するのも難しいですからね。総合的な学習の時間の講師依頼を受けた,という形で舞台を学校現場に持っていけば,興味深いシチュエーションになると思います。
とってもいいアイデアをいただきました。工夫して活かしてみたいと思います。
投稿情報: りん | 2005年5 月30日 (月) 23:30
お忙しいところコメントありがとうございます。ボーッとした状態でタイピングしていましたので乱文をお許しください。
このときの学生さんにアンケートを書いてもらいましたがやはり好評でした。現場と現場を結ぶもの(ノットワーキング?)が,これからの教育実践には必要な気がしています。
投稿情報: Gorotsuky | 2005年5 月31日 (火) 15:27