日曜日だけども,東京に来ている。このところ携帯電話に関わる研究会があちこちで発足しているが,私も携帯モラルに関する研究会に加えていただくことになって,その初めてのミーティングが行なわれた。
情報モラルに関する研究や教材開発は,先行する成果がいくつもあり,それなりの実績を残している。しかし,もっとも普及しているネット端末「携帯電話」(ケータイ)に焦点化したものはまだ少ない。それに教育に絡めて携帯電話をどう位置づけ捉えるかの議論は,十分共有されていない。携帯電話に関する研究が方々で取り組まれ始めたのは,いよいよ必要になったということなのだろう。
もっとも,これらの研究はもっと早くに取組むべきだったのかも知れない。ここまで普及し,ケータイを使う風景が固定化してしまった今,モラルについてじっくり考えさせるだけのモチベーションを勝ち取ること自体がとても難しくなっているように思う。それでも携帯モラルに関して取り組まないでいいわけもない。何かしら皆さんの議論や生活に資する成果を出す必要がある。
ミーティングは短いながらも中身の濃いものだった。もう少し議論を重ねたい部分も残るが,それは今後に。カリキュラム論の研究者を自称し,教育工学分野に片足を突っ込んでいる私は,さて,どれだけ違った視点から議論に広がりを与えられるだろうか。
ミーティング場所から最寄りの駅までの道のり。統括者の先生と語る。携帯モラルの感覚を身につけてもらうために必要なこととは何か?モラル感覚がついたことを評価するにはどうすべきか? その必要性に同意しつつも,難題に思考をめぐらし続ける。シチュエーションと切り離した状態でモラルを確かめる術があるのか。不可能なような気もするし,評価の確かさを少し犠牲にさえすればどこかにブレークスルーがあるかも知れないとも思う。あるいはカリキュラム評価に活路を見出すか‥‥。
新たな思考の旅が始まった。
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