1984年頃のイギリス・ダラム。炭鉱の街に住む少年Billy Elliotは,毎週ボクシングを習っていたのだが,ひょんなことからバレエの練習を始めることになる。女の子ばかりのバレエ教室で戸惑いながら身体を動かしているうちに,女教師に秘めたる才能を見込まれ,ロイヤル・バレエ・スクール入学の道へと導かれていく。
英国のポップスターにして世界的にも有名なエルトン・ジョンによる作曲のミュージカル劇。物語は炭鉱のストライキという背景を下敷きに,炭鉱男たちの文化とバレエという文化(女子どものもので,上流階級のもの)のギャップを通して,少年の可能性,共同体の団結,偏見や葛藤,プライドと友情を描いている。
歌声もさることながら,少年少女達の身体芸術の素晴らしさには感嘆した。物語自体はシンプルだが,それだけに物語に引き込まれてしまった。女の子ばかりに取り囲まれてあたふたしているシーンは,何となく経験があるので共感も出来たし。
親はいつまでも子どものことを想う。そして少年は旅立ち,一人で歩み始めなければならない。英国に来て,また家族の有り難さを感じた。私は,その想いに報いることが出来るだろうか。そして次代の少年少女を想うことが出来るだろうか。
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