9日はCheam High Schoolへ視察。ビクトリア駅に集合し,そこから列車に乗るのだが,一番乗りしたのに安心したのか切符のことを考えておらず,乗車直前になって未購入が判明。予定していた列車に乗れない事態をつくってしまった。あいたた…。
学校に着いて,まず全体的な説明を受けてから,二手に分かれて生徒の皆さんに学校内を案内してもらった。教科毎に建物や教室が確保されており,基本的には先生達が待っている場所に生徒が動くという方式。ほとんどの教室にプロジェクタが導入されており,先生達も支給されたコンピュータを使って授業を展開している。
簡単なお昼をいただいてから,午後には語学のクラス。まずフランス語クラスを見学。授業中はフランス語オンリーなので,聞いていてもちんぷんかんぷんだったが,先生に説明をしてもらってようやく何をやっているのかが把握できた。
授業の導入部はパソコンを使って曲を流し,フランス語のセンテンスを歌わせながら始まる。あらかじめ一人の生徒に記録係をお願いし,授業中によい発言やよい反応をした生徒の属しているチームを加点していくのを記録させていた。ゲーム感覚で授業の参加意欲を高めようという工夫のようだ。
パソコンと液晶プロジェクタで全部まかなうかといえばそうでもなくて,オーバー・ヘッド・プロジェクタ(OHP)も常備し活用している。投影された画像や映像に多少のズレやゆがみがあろうと,あんまり気にしないことが多いようだ。自分の使用している教材に合ったものを適宜活用しているだけ。その道具の使用感覚は(以前も書いたことがあるが)実にあっさりとしたものだ。生徒が求めているのは教師の「名人芸」ではない,実際的な授業の進行なのだという割り切りが感じられる。
次は日本語のクラス。この学校と交流を始める日本の中学校の先生とご一緒に訪問したので,小さな国際交流の時間が始まった。日本からのたくさんのお土産を紹介していきながら,日本の文化を紹介する。
定番のおりがみで「折り鶴」を折る。同行したメンバーが手分けして生徒さん達にツルの折り方をレクチャーした。ご存知のように折り鶴はスタンダードな一品だが,意外と折るのが難しい。みんな英語の説明を一生懸命聞いたり,近くの日本人訪問者に聞いたりして,ツルを完成させていた。
それから,けん玉のプレゼント。実際に生徒達もけん玉チャレンジした。そして,日本人にとってもなじみの薄くなってしまった「百人一首」もお土産。札のセットと説明だけではわかりにくいので,実際にどのようにして遊ぶのかをデモンストレーションすることになった。日本を代表する某大手電器メーカーの上司と部下対決が遠くイギリスの地で展開したかどうかは定かではないけれど,「はいっ!」と札を払う様子を生徒の皆さんは興味深く眺めていた。
日本語クラスの授業の進め方もフランス語クラスと同じ手法を採用していた。最初のつかみは,慎吾ママの「おは・ロック」。担当の先生が日本に滞在していたのがその時期なのか,お気に入りなのだそうだ。それから,「雨に唄えば」のメロディに乗せて日本語のセンテンスを練習する。面白かった。
手厳しいことを書けば,必ずしも担当の先生の日本語は完璧ではない。もちろん完璧であることは難しいからそれは問題ではない。むしろ,そんな日本語のクラスを参観しながら,日本における英語の授業を英米人が見たら,こんな感覚で見えるのだろうなと逆想像をして,ちょっとゾッとしたのである。自分ももっと英語勉強しよう…。
長い時間お邪魔させていただけた上に,ICT機器についてもいろいろ説明してもらえて勉強になった。インタラクティブ・ホワイトボードを思う存分触らせてもらったので,操作技能が少し上がったかな。セットになっている白板ソフト(?)はなかなか多機能で,授業の中で役立ちそうな機能が満載だった。なかなか楽しい。
今後は,インタラクティブ・ホワイトボードもペンを使わず手で操作でき,さらにマルチタッチに対応して,複数の生徒が画面上に入力するのをサポートし始めるだろう。某大手電器メーカーさんが実現して,プロジェクタをオレンジ色に塗ったら,シェアも少し上がるかも知れない。たぶんだけど。
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